Windowsパソコンを使っていると、ファイルの保存先が「Cドライブ」から始まっているのをよく目にします。ですが、アルファベット順であれば「A」や「B」から始まるのが自然に思えます。一体なぜCから始まるのでしょうか。
Cドライブの正体はハードディスク
Cドライブは、Windowsのシステムファイルやアプリケーションが保存されるメインのハードディスク領域です。現在のパソコンでは当然のように使われていますが、昔のパソコンではこのCドライブは「3番目の記憶装置」だったのです。
では、AとBは何に使われていたのかというと、これはかつて主流だったフロッピーディスクドライブに割り当てられていました。
昔のパソコン構成(1980~90年代)
ドライブ名 | 用途 |
---|---|
A: | フロッピーディスク(1基目) |
B: | フロッピーディスク(2基目) |
C: | ハードディスク(メインの記憶装置) |
当時はフロッピーディスクでOSを起動することも多く、Cドライブがなくてもパソコンが動くという時代がありました。その後、ハードディスクが普及したことで、Cドライブにシステムを入れるようになり、今に至るまでその命名規則が受け継がれています。
DドライブはなぜDVD?
ハードディスクがCドライブに使われたため、その次に空いていたドライブ文字「D」が、CD-ROMやDVDドライブに使われるようになりました。
当時の標準的な構成では、
- C: ハードディスク
- D: CD/DVDドライブ
- E以降: USBメモリや外付けHDDなどの追加ストレージ
といった形でドライブ文字が自動的に割り当てられていました。
Eドライブ以降はどうなる?
Windowsでは、記憶装置に対してA〜Zのアルファベットを使ってドライブ名を割り当てる仕組みになっています。
CとD以降の文字は、接続されているストレージの順に自動で振られます。
ドライブ名 | 主な用途 |
---|---|
E〜Z | USBメモリ、外付けHDD、ネットワークドライブ、仮想ドライブなど |
USBメモリを複数接続すれば、E、F、G…と順番に増えていきます。Zまで使用することも可能ですが、そこまで使い切るのは稀です。
Zドライブはネットワークドライブでよく使われる
企業や学校などのパソコンでは、Zドライブがネットワーク共有フォルダに割り当てられていることがあります。
「Zドライブに資料を保存してください」と言われた場合、それは共通サーバ上のフォルダを指していることが多いです。
ドライブ文字は変更できる
実は、Windowsの「ディスクの管理」機能を使えば、任意のドライブ文字を変更することも可能です。たとえば、USBメモリにFドライブが割り当てられたけれどEにしたい、という場合でも手動で変更できます。
まとめ
- AとBはもともとフロッピーディスクに使われていた
- Cはその次に来るハードディスクに割り当てられ、現在もそのまま使われている
- DはDVDやCDドライブによく使われた
- E〜Zは外部ストレージやネットワークドライブに順に割り当てられる
- ドライブ文字は変更可能で、最大Zまで使用できる
Windowsにおけるドライブ文字の割り当てには、今は使われなくなった古い技術の名残が色濃く残っています。日常的に使うCドライブにも、パソコンの歴史が詰まっているのです。
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